2020年10月02日

Jabra Speak 810(会議用スピーカー)でオンラインセミナー配信



 このご時世なので、セミナー中止や延期、会場の自粛などで皆さん困っているようです。

 うちのクライアント企業や業界団体も、年に数回やっているオンラインセミナーで有料をどうするかで悩んでいます。

 まず、配信をどうするかですが。
 画質・音質もある程度しっかりしていないと、無料セミナーでも厳しい。

 画質については、WebカメラはNG。
 ビデオカメラやデジタルカメラの映像じゃないと見てはもらえないのが実情です。

 ちなみに、スマートフォンからというのも考えましたが、発熱や電源など配信の安定性の面で、2時間半の長丁場は無理だろうと判断しました。画質は良いのですがね。

 研究会や部会・分科会などをやっているので、オンラインでの会議やミーティングに関しては問題ありません。

 では、Web会議システムで、セミナーをやるとどうかというと、これがなかなか難しいです。

 まず、参加者のマイクのミュート問題があります。
 遅れて参加した人など、マイクをミュートにしていないで音やノイズが入ったり、ハウリングを起こしたり。
 音だけ聞いているのか、カメラがONのままで、なぜかゼムクリップが映っていたり・・・

 Teamsで100名を超えた参加者のときに、画面共有しているプレゼン資料が更新されないなどのトラブルがありました。
 それ以来、Web会議システムを使ってのセミナー開催はしていません。


 そこで、ライブ配信でやってみたらどうかということで、You Tube Liveでのセミナー配信をしてみました。

 ITや音響の知識がない人がほとんどなので、できるだけシンプルにしなけれいけません。

 配信ソフトは使わず、ブラウザ配信にします。

 音に関しては、とても複数のマイクにミキサーやらなんやらとやってられない。このほうが音がいいのは確かなんですが。

 で、音に関しては会議用のスピーカーを使ってみました。

 Jabra Speak 810です。
 こちらは、15人までの大きな会議用で、6個のマイクを使って、話している人の声だけを拾います。
 話者の方向を特定して、その方向のマイクを活かす。他の方向のマイクは環境音としてノイズキャンセルに使っているようです。

 Jabra Speak 810を中心において、コーディネーターや講師などの登壇者は半円を描くように座ってもらいました。

セミナー配置図.png

 これは、Jabra Speak 810からの距離を一定にするためです。また、カメラのズーム操作をしなくても撮影できるので、素人にカメラの操作を任せても安心です。

 ピントは、顔認証のオートフォーカスで勝手にあってくれます。ズーム操作がいらないと、話してる人に向けるだけと、オペレーションがシンプルになります。


 Jabra Speak 810での音声ですが、こうした環境でもほとんど気にならない程度のノイズで、どの話者の声もはっきり聞き取れました。

 マイクの音量は特に配信側のマシンではゲインなどもいじっていません。それでいて、ラウドネス値-0.3dBというよい結果になりました。
 ゲインに関しては、6個のマイクがそれぞれ状況に応じて変化するようで、設定不要でした。

Seminar_Loudness.jpg

ラウドネスは、「人が実際に聴いて感じる音の大きさ」の値です。 You Tubeは、ラウドネス値を検証して音の大きさを判別しています。
 You Tubeでラウドネス値を確認するには、動画を右クリックして、統計情報を表示させます。

ラウドネス値が0dBを超えると、元の音量から大きく下げられてしまったり、音割れなどがおきます。

 −10dB以下になると、小さくて聞こえない。

 色んな動画を見ていると、-0.1から-7.0dBが丁度いい範囲のようです。

 特に調整も行わずに、-0.3dBになりました。
 これは本当に楽です。

 視聴者のアンケートでも、問題なく視聴できたが約63.2%、会場での視聴より快適だったとするものが約14.9%ありました。


 必要十分な音質にはなっていたと思います。

 今回ビデオスイッチャーで映像の切り替えを行っています。ビデオスイッチャーを使うと、映像の処理で少しだけ遅延が発生します。音は、そのまま流れるので音のほうがわずかに早くなってしまいます。

 この、映像と音声のタイミング(リップシンク)のズレは、ニュースの原稿など読み上げるような場合で、一般の人でも音進み約45ms、音遅れ約125msで気が付きます。
 遅れる方に許容値が大きいのは、離れた人と話すときに音が届くのに時間がかかります。これに慣れているため、遅れるのには寛容になっているようです。
 放送などでは、許容限界は音進み約90ms、音遅れ約185msで、ズレてるのは判るけど大きく影響がない限界ということでしょう。

※参考資料 リップシンク テスト 放送用

(こういったものを撮影や配信して、ズレを計測します)


 今回の場合、音進み約33ms程度でしたので、そのままで行くことにしました。

 ミュージシャンなどは、5ms〜10msでも判ってしまうそうなので、音楽系の内容だと厳しいかもしれません。

 スイッチャーを使わない場合は、リップシンクは全く気にしなくてもいいと思います。


 会場は、63m2の一般的な会議室で行いました。
 Jabra Speak 810の推奨は100m2までです。

 ちょっとデメリットと言うか、気を使う部分ですが、非常によく音を拾うので会議室内で小声で話してもばっちり集音されてしまいます。

 机に硬いものをおいたり、机や椅子の脚を蹴ってしまうなどの音も気をつける必要があります。

 スタッフは、ハンドサインと筆談でコミュニケーションを取りました。

 この点をどう考えるかでしょう。

 ミキサーや人数分のマイクなどを用意できれば、離れた場所での会話などは拾いませんし、コントロールできるメリットがあります。
 そのかわり、機材が増えて操作するための知識や経験が必要になります。機材が増えるということは当然コストも掛かります。

 配信中は、不用意に音を出せないという点は、かなり気を使いますが、事前準備が用意で素人でも設定ができるので会議用のスピーカーを使った配信はありだと思います。

 ただし、他社製の会議用スピーカーで同じように良い結果になるかは不明です。
 You Tube Liveは、限定配信や自分だけという形で配信のテストができます。

 必ずテストとリハーサルを行うようにしてください。
posted by Outliner 伊藤 崇 at 16:14| 効率化・仕組み