2018年02月19日

Googleフォームで業務システム事例「開業前搬入(初期搬入)」

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 Googleフォームは気軽にアンケートの仕組みを作れるツールです。
 アンケートだけではなく、作業記録や申請フォームなどにも利用できます。

 標準で、フォームに入力されたものをGoogleスプレットシートに記録する機能があるのでこれだけでも充分に活用できます。

 また、Google Apps Scriptと組み合わせることで、かなり複雑なことも可能になります。
 実際に物流系の会社に提供している事例です。

 らら○ーとやパ○コ・イオ○などの商業施設ではオープン前に各店舗の商品を搬入する期間があります。
 この期間は、「開業前搬入」や「初期搬入」と呼ばれています。
 規模にもよりますが、2〜3週間の間に全テナントの商品を商業施設に運び込みます。

 物流会社では、この期間に搬入経路(導線)の養生や館内配送、搬入口での車両の管理を行います。
 トラックなどで、搬入口から直接運び込むものもあれば、宅配便を利用するケースもあります。

 搬入期間トータルで、数百から数千台の車両、宅配便だとピーク時には2万個の荷物が一日に届きます。

 搬入口に停車できる車両の数にも限度があるのと、近隣への騒音や渋滞の緩和を行う必要があります。

 そこで、開業前搬入事務局を設置し、搬入のスケジュール調整を行います。
 車両については、30分単位の時間割にて搬入の申請を行ってもらいます。
 従来はFAXや電話での申請でしたが、Googleフォームにて申請をしてもらいます。

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 店舗情報や車両の台数、希望の時間帯などを入力してもらいます。

 フォームに入力した内容は、Google Apps Scriptを使ってスプレッドシートに記録します。
 スプレッドシートに単純に記録するだけなら、Google Apps Scriptを使わなくても可能です。
 Google Apps Scriptを利用すると、申請内容の確認メールを自動送信することができます。
 確認のメールがあれば、店舗担当者も安心できますし、重複申請や無用な問い合わせを減らすことができます。


 Googleフォームには、一度回答したものをあとから修正することも可能です。
 修正を許可すると、修正用のURLが発行されます。
 通常は、フォーム送信後の画面に表示されるだけですが、Google Apps Scriptでも利用できます。
 確認メールに、「間違いがある場合はこちらから修正してください」という記載とともに修正用のURLをつけておきます。


 Googleスプレッドシートでは、フォームから入力されたデータを記録するシートの他に、集計用のシートを作成します。
 集計用のシートに、条件書式を設定すれば、枠に空きがなくなったらセルを赤くするとか、一定の数字を超えたら黄色で残り少ないなどが一目で分かるようにしました。


 申請をもとに、停車位置などの調整をしたら許可証を発行します。

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※搬入時間と搬入口の着者位置(停車位置:バース)を記載した許可証。

 また、確定情報を工程表(スケジュール)のシートに反映します。

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 次は、宅配便での搬入です。
 宅配便も、どの運送会社で何個届くのかによって、仕分けをするスペースや人員の調整が必要になります。

 宅配会社や荷物の個数などは、事前に申請を行ってもらいます。

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 開業前搬入では、店舗まで届けるために特別な荷札を貼ってもらいます。

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 店舗ごとの荷札にはQRコードを設けました。
 QRコードには、GoogleフォームのURLを設定します。

 このURLを少し工夫します。
 Googleフォームには、「事前入力したURLを取得」という機能があります。
 すべての項目を入力してもらうのではなく、特定の項目のみ入力した状態のURLが作成できます。

 荷札は、店舗名が予め入っているため、店舗名は事前入力にします。
 大きな商業施設では、250店舗を超えることもあります。
 選択しやすいように店舗名はプルダウンで選べるようにしていますが、少なからず選択間違いがあります。

 荷札のQRコードを読み取れば、店舗名が入った状態のフォームが開くようにすることで、入力の手間と間違いを減らすことが可能です。


 店舗名をプルダウンにしているのは、スプレッドシートでの集計のためです。
 手入力だと、表記の違いなどでうまく集計できないことがあります。

 スプレッドシートでは、宅配会社別に日毎の個数集計表を作成します。
 この集計表は、毎日商業施設の事務所へ送ります。

 Google Apps Scriptを使うと、集計表をPDFにしてメールに添付して送るというのも自動化できます。
 毎日、18時の時点でメールを送りたい場合は、メール送信用のGoogle Apps Scriptのトリガー(動作タイミングの設定)を毎日18:00に設定します。


 電話やFAXだけでの申請から、Googleフォームを併用するようにしたところ、電話件数が約30%減、FAXで48%減となりました。

 また、許可証や個数集計表をFAXではなく、PDF添付のメールにすることで、通信コストも抑えられました。
 これにともなって、コピー用紙の使用量削減にも貢献できました。


 スプレッドシートを共有すれば、事務局や商業施設の事務所などどこでもリアルタイムで確認できます。

 商業施設で、「○日に、追加で搬入したい」と店舗担当者から言われることもよくあります。
 この場合も、スマートフォンやタブレットからその場で申請できます。
 ただでさえ忙しい、現場担当者の負担も軽くなりました。

 ここまでガッチリと業務システムにしなくても、Googleフォームとスプレッドシートを利用するとかなりの効率化が可能なので、是非チャレンジしてみてください。

 こうしたシステムのご相談もお気軽にどうぞ。
posted by Outliner 伊藤 崇 at 07:00| 効率化・仕組み