自分のマシンにつなぐだけではなく、クライアント企業のサーバやPCに接続してメンテナンスすることも頻繁にあります。
個人用途でも、自宅にあるデスクトップに接続したい。
実体験では、タッチパッドが壊れたノートPCのメンテナンスにも使いました。
プログラミングや開発では、どうしても相手先の環境でテストしたい。
マシンのスペックやOfficeのバージョンなど、異なる複数の環境でのテストが必要になります。
いろいろリモートのソフトやサービスはありますが、TeamViewerがベストだと思います。
「Chrome リモート デスクトップ」
ChromebookだとGoogleの「Chrome リモート デスクトップ」でと思うかもしれません。
「Chrome リモート デスクトップ」は、接続の確実性ではTeamViewerよりも優れている部分があります。
また、リモート先のパソコンで鳴っている音が必要な場合には「Chrome リモート デスクトップ」が必要です。
「Chrome リモート デスクトップ」が弱いのは、接続の速度が遅い場合とアプリのアップデート・マルチモニタです。
それなりに帯域を使うので、外からモバイルネットワーク(LTEや3G)で繋ごうとすると応答が悪くなります。
文字入力なんかイライラするぐらい遅くなります。
リモートのアプリをアップデートするのがかなりわかりにくくてしかも煩雑です。
リモート先のアプリが古いとこんな感じでメッセージが出ます。

マルチモニタのマシンだとうまくいかないことが多く、解像度の調整などもイマイチです。
「TeamViewer」
リモートの定番ですが、バージョン11からChromeアプリ版があります。
スマートフォンを含めて非常に多くのOSや端末で利用できます。
ChromebookでTeamViewerを利用する場合は、Chromeアプリ版またはAndroidアプリ版をインストールします。
Chromeアプリ版は、Chromeウェブストアから入れますが、まがい物があるので注意が必要です。
機能拡張の「Chrome用TeamViewer」ahkhonghtieudauer 提供のものはいろんなサイトに飛ばされるだけのものです。
リモート接続はできないので、絶対に入れないでください。

「TeamViewer」提供者: TeamViewerが本物です。
https://chrome.google.com/webstore/detail/teamviewer/oooiobdokpcfdlahlmcddobejikcmkfo?hl=ja
こちらをインストールします。

Chromeアプリ版では、一度リモートで接続した先を覚えてくれるので、同じマシンに頻繁に接続するときは便利です。
Androidアプリ版は、毎回IDを入れる必要があるのでちょっと手間です。

TeamViewerのメリットは、約200kbpsなどの低速回線でも快適に操作ができる点です。
リモートで接続したら、画面上の表示メニューから速度の最適化を選択します。

壁紙がなくなり、画質は落ちますがその分レスポンスが非常に良くなります。
MVNOのSIM(格安SIM)には、容量を消費しない低速モードがあります。
私の使用している「mineo」では、低速モードは約200kbpsです。
この状態で、プログラミングや文字入力を行っていますが、特にストレスは感じません。
画質を落としているので、ウインドウ自体を移動させたり、画面全体が書き換わるようなときは少し待たされます。
「Chrome リモート デスクトップ」でこの回線速度にすると、文字入力しても一文字ずつゆっくり出てくる感じでとても入力する気にはなりません。
Androidアプリ版も設定メニューの画質に「速度の最適化」があります。


Chromeアプリ版とAndroidアプリ版の両方を入れた場合は、アイコンが一回り小さい方がAndroidアプリ版です。

接続先のTeamViewerを最新のものにアップデートするのも簡単です。
上部のメニュー右側にある「リモート更新」から更新のチェック・ダウンロード・更新までスムーズにいけます。

ChromeとAndroidの両方が入っているのは、同時に2台のパソコンに接続して作業するためです。
ちなみに、Chrome リモート デスクトップも組み合わせると、3台同時が可能です。
開発用のマシンにリモートして作業しているときに、顧客の環境を確認しなければいけない。
サーバに接続してログを回収したら、解析用のマシンに移して処理させておく。
なんてこともやっています。
一度切断して、つなぎ直すよりも手間がかかりません。
TeamViewerのいいところは、顧客サポートが手軽にできるというのもあります。
「TeamViewer QuickSupport」というインストール不要のサポート用プログラムがあります。
TeamViewerを検索して「ダウンロード」ページに移動してもらいます。その他モジュールにある「TeamViewer QuickSupport」をダウンロードしてもらいます。
起動してしばらくすると、IDとパスワードが表示されます。
これを電話などで教えてもらえれば、すぐにリモートでのサポートが開始できます。
ちなみに、パスワードは起動するたびに変更されるので安全です。
また、再起動やセーフモードでのリモートも可能です。
TeamViewerのメニューから、再起動またはセーフモードで再起動を選択するだけです。
リモートで再起動した場合は、再接続を待つことも可能で、接続可能になると「接続しますか」と通知が出ます。
セキュリティソフトなどのメンテナンスの場合、セーフモードを使わないといけないケースでもリモートで可能です。
※セーフモードでのリモートですが、一部の環境でうまくいかないことがあるので注意が必要です。
※セキュリティの確保やネットワーク負荷分散のために複数のLANポートがある場合、セーフモードではひとつしか有効にならず再接続できないことがあります。
Chrome リモート デスクトップもTeamViewerも便利ですが、どうしてもMicrosoftのリモートデスクトップで接続しなければいけない。
というケースもあります。
サーバーのあるところに誰もいない状態で、Windowsのリモートデスクトップのみ利用可能な場合。
または、Google Cloud PlatformのCompute EngineでWindowsの仮想マシンに入る場合。
VPS(仮想専用サーバー)のWindowsServer2016に接続したい。
こういうときは、「Chrome RDP」というChromeアプリを利用します。
Windows環境がなくて、MacやLinux・ChromeOSしか無いときでも、ChromeブラウザとこのアプリがあればMicrosoftのリモートデスクトッププロトコルで接続が可能です。
「Chrome RDP」
https://chrome.google.com/webstore/detail/chrome-rdp/cbkkbcmdlboombapidmoeolnmdacpkch?hl=ja

もうひとつの方法としては、Chrome リモート デスクトップかTeamViewerでWindowsマシンに接続して、そのマシンからリモートデスクトップを利用します。
リモートしたパソコンから、またリモートするので速度面でもかなり遅くなってしまいますが、緊急時には有効な手段です。
セキュリティの関係で、決まったIPアドレスからしか入れない場合にも使えます。(悪用はしないように)
GoogleのCompute EngineやVPS(仮想専用サーバー)でもWindowsServerOSが利用できるようになりました。
時間課金で、仮想マシンをレンタルするサービスもあります。
これらを使うと、ハードウエアとしてのマシンを持っていなくても、異なるOS用の開発が可能になります。
こんな感じで、Chromebookを起点にリモートを活用しています。
関連記事
「TeamViewerの設定とリモートログの管理」