2015年01月31日

シングルタスクで効率を上げよう。


 最近の脳の研究で、脳はマルチタスクではないことが分かっています。複数のことを同時にしている場合でも、意識的な注意を必要としないことを行っているだけです。シングルコアのCPUと同じで、処理(注意)を切り替えて行ったり来たりしているだけです。人間の脳の場合は、注意の対象を切り替えるのに時間がかかるため、タイムロスがかなり大きくなります。

 テレビを見ているときに電話がかかってきて、話をしていると、その間に見ていたはずのテレビの内容をほとんど覚えていない。スポーツ中継で、いつの間にか点が入っていたという経験はないでしょうか。

 カナダにあるトロント大学の研究グループが行った調査で、運転中の携帯使用は事故の危険性を約四倍にも高めるという結果がでています。この研究レポートは1997年2月です。アメリカのユタ大学の心理学グループが2006年に発表した研究では、携帯電話で通話しながら運転すると事故を起こす可能性が5.36倍になり飲酒運転よりも危険だと警告しています。

 複数のことを同時に行うと、自分が何を見逃してるのかにも気が付きません。食事中にテレビを見たり、スマートフォンを操作していると、食べ過ぎる傾向にあり、太りやすくなるという調査結果も出ています。これは、意識が他に行っているため、満腹感を得にくくなるというものです。家族や友人など人との会話をしながらの食事では、このような傾向はありません。満腹感なんて、どう食べようが同じと思うかもしれませんが、実際に食べるものを見て、においや食感を感じながらだと少ない量でも満足できます。

 同時に複数のことができるように感じるかもしれませんが、それは意識を向ける必要のないものに限られます。キーボードで文字を打っているときは、どのキーを押そうという意識はしていません。

 注意を向ける・判断を必要とする・考えるということをそれ以外のことから切り離す必要があります。まず、行動や手順・方法をしっかりと考えて、手順・段取りを作ります。それに従って行動します。じっと考えるというのは、かなり負担のかかることですが、これをやるかどうかで疲労度が変わります。やり方が分かっていて、判断の必要がないものをやるというのは楽で、脳に負荷はかかりません。また、意外とこうした作業は気持ちがいいものです。

 設計図や手順もなしに進んでいくのは、野生動物と同じで先に何が起こるか全く分かりません。これでは、夢を実現したり成功することも難しいでしょう。考えることと作業を切り離して、それぞれを集中してやる方が脳の特性に合っています。

 マルチタスクをすると、効率が落ちる以上の影響があることも分かっています。

 マルチタスクは、効率的に行えているような錯覚を起こします。実際に、同じような作業を二つ同時に行おうとすると、パフォーマンスは80〜95%も低下する傾向にあります。

 IQも著しく低下します。これが続くと、脳の機能に障害が起こる可能性も指摘されています。

 私自身、ポメラなどの単機能の道具を使うととても仕事がはかどります。これは、一つのことに集中できるだけではなく、割り込みがないというのも、その理由だと思います。

 メールやSNSの通知を認識してしまうと、どうしてもそれを確認したくなります。つまり目の前のことから注意力が奪われてしまいます。

 同じように、注意を向けなくても、視界に入るものも厳選する必要があります。

 部屋を暗くして、デスクライトやLEDライトだけで原稿を書くとすごくはかどります。目には余りよくないのですが、できるだけ情報量を減らす為には効果的です。

 片づけ忘れた本が視界に入れば、片づけなきゃと気になります。動くものがあったり、何かやらなければいけないことを思い出させる要素があると、メールなどと同じように意識に割り込んできます。

 断捨離や部屋をきれいに整理整頓するのも、こうした割り込みをなくすために効果的です。

 以前の私は、かなりマルチタスクを平気で行っていました。しかし、どうもうまく行かなくて壁にぶつかりました。それから、単機能の道具にしてみたり、モノを減らしてきました。

 結果として、以前よりも思うように生きられるようになりました。

 マルチタスクの習慣や癖がある人は、試しにシングルタスクでやってみてください。マルチタスクが効率がいいというのが錯覚だと気がつけると思います。

 では、また次のテキストでお会いしましょう。
posted by Outliner 伊藤 崇 at 07:00| Comment(0) | ブレイン
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